否定しないでくれてありがとう

先生へ

私は中学生の頃、美術が大の苦手でした。
　
悲しいくらい画力がなく、美術の先生にもタメ息をつかれていました。
美術で褒められたことなどありませんでした。成績は10段階の4。よくて5です。自分の画力のなさを痛感しました。家で練習しても上手くなる気配がない。もう嫌になっていました。

私が通っていた中高一貫校では、高校生になると美術は選択科目になります。なので、中学3年生の時は「よし！1年耐えればおしまいだ！」と半分気合いで授業を受けていました。それは初めの話。

その年。担任の先生が美術担当でした。「うわぁ…できなかったら絶対何か言われるじゃん…」それが私の1番目の感想でした。でも、違いました。
その先生は、絶対に否定をしませんでした。今までの先生のように、私の絵を消しゴムで消していくことはしませんでした。

その1年が、美術が嫌いではなかった唯一の年です。

先生、ありがとうございました。

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