酔っ払いから助けてくれたあなたへ

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高崎線に乗っていたあなたへ

もう20数年以上も前に、都内でOLとして働いていた時のことです。
実家から都内まで1時間半以上かけて、電車で長距離通勤をしていました。
残業が多く、帰宅が深夜になることが度々ありました。その日も、夜中近くに高崎線に乗っていました。ボックス席に座り本を読んでいたら、いきなり、ドカッと誰かが隣に座る気配が。車内は結構空いているのに何故わざわざ私の隣に?と怪訝に思いながら横を見ると、明らかに酔っぱらっている男性でした。
お酒臭いし、嫌だなあ・・と思っていたのですが、席を移動する勇気もなくそのままでいると、その方が突然大声で、こんな遅くまで夜遊びですか?いい御身分ですね、お嬢さん~とからんできたのです。
小声で、仕事です・・と答えるのが精いっぱいでした。
その人は、仕事?どんな?こんな遅くまでの仕事って?と、その後も、どうせ仕事って言ったって、嫌ならすぐやめちまうんだろう?みたいなことを繰り返し言っていたと思います。周りにいる方の視線も感じながら、恥ずかしいやら、でも怖くて何も言い返せない悔しさやらでうつむいていたら、近くに座っていた若い男性が、『酔っぱらって人にからむのは止めて下さい。迷惑ですよ。」と止めに入ってくれたのです。酔っ払いおじさんは、それでも何かぶつぶつ言っていましたが、その男性に、『みっともないですよ。」と諭されて幾つか目の駅で降りていきました。
私は、助けてくれた男性にお礼を言わなきゃ・・と思いながらも、怖かったのと恥ずかしかったのとで、何故か言葉が出てこなっかのです。そして、お礼を言えないまま、その男性は2-3駅後に下車してしまいました。
きっと、勇気を出して助けてくれただろうに・・・何故お礼を言えなかったのか。
本当未だに後悔しています。
折角、勇気を出して人を助けても、お礼さえ言ってもらえない。・・・そんな風に感じしてしまっていたらと申し訳ない気持ちでいっぱいです。
本当にあの時は嬉しかったんです。本当はありがとうございます!と伝えたかったんです。遅くなりましたが、勇気を出して助けて下さって本当に本当に有難うございました。高崎線に乗っていたあなたへ。

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