言えなかったありがとう

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ラーメン屋さんのおじさんへ

子供の頃からよく家族でおじさんのラーメン屋さんに通っていました。
お店食べる時も、出前をした時も、いつも笑顔で美味しいラーメンやチャーハンを持ってきてくれました。
中でも私は、おじさんの作るチャーハンが大好きで、時々親にせがんだものです。

いつまでも、これからも、ずっと食べたい時に、おじさんのお店のラーメンやチャーハンが食べられると思っていましたが、ある時おじさんが亡くなってしまって、ありがとうも言えずにぷっつりと切れた糸のように無になってしまいました。

大人になった今でも時々おじさんのラーメンとチャーハンが食べたくなります。
そして味もはっきりと覚えています。
他のお店で食べてもおじさんの味にはほど遠くて、おじさんの笑顔と一緒に味を思い出します。今でも私たち家族のソウルフードです。
おじさんがいなくなってから、中華の出前をとることはなくなりました。
おじさん以上に美味しいものを作れるなんて、家族の誰も思っていないからです。

おじさんは亡くなる少し前、腱鞘炎で大変だと言っていました。
なのにずっと美味しいラーメンやチャーハンを作ってくれてありがとう。
今でも大好きです。

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