私の兄でいてくれてありがとう。

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大好きな兄ちゃんへ

私と兄は母子家庭で育ちました。
兄が3歳のとき母と父は離婚しました。私は当時生まれてまだ間もないときでした。
家事と仕事に追われている母のかわりに私の世話はすべて兄の仕事でした。
ミルクをあげたり、ゲップをさせたり、オムツを替えたり、寝かしつけたり、あやしたり、抱っこにおんぶに遊び相手もすべて兄でした。
(なので私の小さいころの話するときは母より兄のほうが詳しくて毎回なんとも不思議な空気になります 笑)

私が小学校1年になると兄はもう4年生でしたが毎朝毎朝一緒に登校して、帰りには私が兄の下校時刻を待って一緒に帰っていました。
家に帰っても母は仕事で遅くまで帰ってこず、夜の20時まで兄と二人でずっと留守番していました。
留守番しているときも最初に兄は私の勉強を見てくれて、それから二人で家のことをしていました。お風呂掃除や洗濯、ご飯の支度など兄に教わりながら。母が残業で遅くなるときは二人で先にご飯を食べ一緒にお風呂に入り母の帰りを待ちました。

私が中学生になり兄が高校生になると一緒にいても会話もしなくなりました。でも時々一緒にゲームなんかをするときはおなかがよじれるほど笑いあって遊びました。

そんな兄が社会人になり私が中学3年のときでした。
学校でのいじめが原因で私が自傷行為に陥っていたとき、一番最初に気付いたのが兄でした。ある日、母が仕事で不在中に兄がゲームをしながら

「お前、手ぇやべーな。母ちゃんにいえねーなら俺さいえばいいべ。」

と、急に言ってきたんです。その言葉で私は涙が溢れ出してしまい、学校でいじめにあっていることを兄に打ち明けたんです。
大泣きしながら何をしゃべっているのか自分でも分からない状態でしたが、兄はただただ静かにゲームをしながら全部聞いてくれました。
そのあと兄から何か励ましの言葉をもらったわけでもなく、アドバイスをもらったわけでもなく私が泣き止んでから一緒にゲームをしただけでした。

それから毎日学校で何をされても「私には兄ちゃんがいる。兄ちゃんだけは私の味方だ。」と耐え続けていけたのです。
時々、学校帰りに歩いて帰っていると後ろから兄が車で迎えに来てくれて車の中で何気ない会話をして笑って、途中コンビニで何か買ってくれたりしてくれました。
あの日、兄のあの言葉がなかったら私はもうこの世にいないんじゃないかって思い出すたびに思います。

今は兄も私も結婚して子供もいて実家を離れて、会うといってもお正月くらい。
いつか、いつか、自分の口で「あの時はありがとう。」と言いたいです、、
でも、顔を見るとやっぱり恥ずかしくて言えません。

だからこの場を借りて  
兄ちゃん、ありがとね。あなたは世界で一番の自慢の兄貴です。大好きだよ。

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