育ててくれてありがとう。

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亡くなった姉ちゃんへ

私の家庭は、父親が母親に暴力を振るう、今ではDVという社会問題になるような家庭でした。

私が小学校に入った直後くらいに母親は私達をおいて出ていきました。

私達というのは私には6つ上の姉がいたからです。
とは、いえまだ姉も中学1年生、まだまだ子供です。
その姉が、母親が出ていってからは私の母親代わりとなって、ご飯を作ってくれて洗濯をしてくれて、全てをしてくれました。

父親は子供達には手をあげることはなかったのですが、家にはあまり帰ってこず、たまに返ってきてはいくらかのお金をおいてまたでていきました。
生活はギリギリです。

食べるものもギリギリでおやつなんかは食べることなんてできませんし、もっといえばご飯だけでおかずがないなんてこともありました。
小さかった私は、わがままばかり。
それでも姉は、星形のおにぎりを作ったりしてくれて、私が食べるように工夫してくれていました。

クリスマスが近づいた時、私は友達から「貧乏な家にはサンタクロースはこない」といわれ、泣きながら家に帰ったことを覚えています。
そのクリスマスになんと、キャラクターの鉛筆があったのです。
私は大喜びでした。
あとになってわかったのですが、もちろんそれは姉がくれたものでした。

そのあともいろいろなつらいことがありましたが、姉がいたから私は生きてこれたと思います。

その後、私達は再婚した母親に引き取られました。

その姉が36歳のときに食道がんでなくなりました。
姉は死ぬ前に私に、『あんたがいたから私はあの時がんばれた、1人では無理だった』といってくれました。

なぜこんなに頑張ってくれた姉ちゃんが先に死ぬのか、私が食道がんになればよかったのにと思いもしましたが、姉がくれた命だと思いなおし、しっかりといきていこうと思います。

恩返しもできなかったけど、天国で幸せになってください。

姉ちゃんがいたから今の私がある、ありがとう。

姉ちゃん、ありがとう。

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