もう会えない彼女へ

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「友人」へ

自分と彼女は、ただの友達でした。いえ、ただの友達のつもりでした。お互いにただの友達として傍にいようと誓っていました。

それが次第に、これ以上先に進めないことが苦しくて苦しくてたまらなくなっていました。告白するのが恥ずかしかったんじゃありません。彼女にはもう婚約相手がいたからです。

自分はずっと彼女と相手の幸せを願っていました。ですが、心のどこかでは、妬みのような、どす黒い感情が生まれていたのです。苦しさが体調にも表れるようになり、自分は彼女の前から何も言わずに姿を消しました。

その後彼女とは連絡をとっていません。それでも、今でも彼女を想うことがあります。人に尽くすことが大好きで、福祉系に就くんだといっていた彼女。自分が仕事終わりに連絡を入れると、すぐに「お疲れ様!」と励ましの連絡をくれた彼女。

小さい頃から彼女の成長を見ていただけに、いつの間にか親の気持ちになっていたのかもしれない。彼女が与えてくれていたのは、言い尽くせない人としての優しさでした。もう数年前の話なので、とっくの昔に幸せになっているかもしれないけれど、どうかお相手と幸せに。

もう二度と会えない彼女に、最高の祝福を。
出逢ってくれて、本当にありがとう。

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