川釣りに連れて行ってくれてありがとう

おじいちゃんへ

近所の川で釣りを楽しんでいる男の人を見かけるたびに
おじいちゃんとの楽しい思い出がよみがえります。

おじいちゃん、私は今、おじいちゃんのお家があった隣の県にある、
きれいな川の近くで旦那さんと一緒に暮らしているんですよ。
川底の小石まではっきり見えるほど透き通った川の風景と音に
毎日癒されながら暮らしています。

おじいちゃんが天国に旅立ってしまったのは私が中学生の時です。
大きな船を巧みに操り漁に向かうおじいちゃんの背中、
今でもはっきりと目に焼き付いています。かっこよかったな・・・。

若い頃からずっと漁師を続けていたおじいちゃんが病に倒れ
片足が不自由になってしまった後、
家族全員辛くて悲しくて仕方なかったのですが
そんな時でもおじいちゃんは
「片足が言う事きかないだけで体は元気なんだ。このくらい平気だ。」
と誰よりも前向きで元気一杯でしたよね。

本当は一番辛いはずなのに私達に心配かけまいと、
頑張って明るく振る舞ってくれていたんだろうなと今になって思います。

退院して半月が経った頃、ちょうど学校が休みだった私と弟を
おじいちゃんは川釣りに連れて行ってくれました。
初めての釣りで苦戦する私達に、
エサの付け方から竿の持ち方まで丁寧に教えてくれて嬉しかったです。
初めてニジマスが連れた時の喜びは今でも忘れられません。

翌年の年明けにおじいちゃんは旅立ってしまいました。
とても楽しい思い出を作ってくれてありがとう。
おじいちゃんに教えてもらったことを思い出しながら
また川釣りに挑戦してみようかなって思っています。

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