無事に生まれてくれて、ありがとう

かわいいきみへ

「竹の子とよその子は成長が早い！」ってどこかの漫才師さんが言ってたけど、きみと会えるまでの時間、すっごく長かったね。出産は十月十日、１年もないはずなのに、２年も３年もきみを宿してた気がするよ。それは、きみも同じ気持ちかな。

切迫早産で入院した時、ちっとも子宮収縮が収まらなくて、きみを失うかもしれない恐怖で、弱気になって泣いた頼りないお母さんでごめんね。

でも、きみの拍動を聞くたびに、安心し、何より勇気をもらえた。いつだって一人じゃないんだって、まだ20センチにも満たないきみに守られてる気がしたよ。ちょうど胎動もはっきり感じられるようになって、こくん、こくん、ってしゃっくりや、ぐにゃんぐにゃんって動く感じ、元気だよ！大きくなってるよ！ってきみからのメッセージ、ちゃんと聞こえたよ。
ありがとう。

それだけ大騒ぎして切迫早産を乗り越えたのに、予定日を過ぎても生まれてこなくて、散歩をしたり、スクワットしたりして、躍起になってきみをお腹から追い出そうとして、ごめんね。きみのからだにへその緒がぐるぐる何重も巻き付いていたなんて思いもしなかったの。

出てきたくても出られなかったんだよね？お母さんのおなかがきゅうってなるたびに、へその緒が締め付けられて、苦しかったよね？それでも、大人しくお母さんのおなかの中で待っててくれて、ありがとう。

そして、無事生まれてきてくれて、ありがとう。
これからも、きみに沢山助けられると思うけど、頑張るから、よろしくね。

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