私のわずかな良心が痛かった

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出会えたきみへ

一月の中旬といえば北海道厳寒期。そんな時に出会った一匹の猫。

職場近く。気づかず通り過ぎる瞬間に、声で「あ~~ん!」と猫の声。驚いて近づくと、かがんだ私の膝に前足をかけたと思ったら、脇に入り込んでぴったりと体を押し付けて震えていた。野良猫には過酷な環境。
あまりに人慣れしているので近所の子だと判断、それに我が家には猫3匹と大型犬2頭がすでにいる。「一応猫好きそうな人に当たってみるか…」程度は思いつつ、膝から降ろした。
それからほぼ一日中「あ~ん!あ~ん!」と鳴き続けてはいたが、「早くお家へお帰り~」と願って帰宅。

その後は猫の形跡もなし、鳴き声も聞こえない。「やれやれ~お家に帰れたかな~」
ところが、近所の方の話だと大声で叫んで、玄関から勝手に入ろうとして皆さんを困らせていたらしい。
昼間の気温はもちろん氷点下。家の猫でさえ必死でぬくもりを求めている時期。
と、私の心は考えたくはないけれど、凍えて息絶えるあの子のこと。

「あの時、多少無理してでも保護しておけば…」「猫の1匹くらい連れ帰っても何とでもなるのに…」
後悔…後悔…、そして後悔…「あの子が凍え死んだらわたしのせい…」

最初の出会いから2週間が経った頃。電信柱の足元で蹲り私を振り返り「ああ~ん!」

はい、もうダメです。
おそらくその2週間の間ですっかりやせ細り、あちこち傷だらけ、肉球はおそらく凍傷で皮もむけている状態。大人の猫で2㎏台の体重なんて餓死寸前ですよね。

取りあえず、ゆっくりとご飯を食べさせて、動物病院で健康診断、そして何より温かいお布団でゆっくりお休み!

それから警察に届けたけれど、飼い主が見つかるわけもなく「めでたく」うちの子に。
見境なく猫や犬に襲い掛かり(じゃれて)みんなに嫌われても、台所にいる私によじ登り、わたし傷だらけになろうとも、早朝から「めしよこせ~~~~!!」と起こされようとも、すっかり元気になって、当初の倍の体重になった君には、
「もう一度出会ってくれてありがとう」

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