魚のきれいな食べ方を教えてくれてありがとう

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おじいちゃんへ

天国のおじいちゃん。
おばあちゃんと仲良く過ごしていますか?
天国ではおじいちゃんとおばあちゃんが大好きな
テレビショッピングはないかもしれないけど
顔をしわくちゃにしながら思いっきり笑顔でいるんだろうなって
勝手に想像しています。

漁師町で生まれ育ったおじいちゃんは
ひいおじいちゃんの後を継いで漁師になり
私達が遊びに行くといつも美味しい魚料理を
テーブルいっぱいに並べてくれました。
魚をきれいにさばくおじいちゃんの背中、
とってもかっこよかったです。

おじいちゃんは海の男で魚をさばく名人、
おばあちゃんは女性を笑顔にする洋裁のお仕事と
器用な二人の孫だとは思えないほど
私はかなり不器用で皆に呆れられたものです。

おじいちゃんが食卓に用意してくれたのは
味が染みて食べやすいように隠し包丁を入れた煮魚や
皮をパリッと焼いた焼き魚でした。
箸で崩すのがもったいないほど見た目がきれいで
見ているだけで笑顔になれたのです。

さっきまで生きていた魚の命を頂くのだから
きれいに美味しく食べるのが魚への礼儀だよと
おじいちゃんはいつも教えてくれました。

そして身をぐちゃぐちゃにしながら食べる不器用な私に
一人できれいに食べられるまで何度も何度も
隣に座って魚のきれいな食べ方を
教えてくれたのもおじいちゃんでした。

私が魚をきれいに食べられないと
お父さんはすぐ怒るのに
おじいちゃんは怒らずにニコニコしながら
教えてくれて本当に嬉しかったです。

おじいちゃんが教えてくれたおかげで
魚の食べ方がきれいだねと
いつも褒められるようになりました。

おじいちゃん、優しく教えてくれてありがとう。

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