ずぶ濡れになった私を助けてくれてありがとう

投稿者 

陸上大会で出会った他校のお母さんへ

小学生の頃、クラスの中で足の速かった私は先生に誘われて管内で行われる陸上大会の100m走に参加したことがありました。

大会当日、最初は曇っていた空も次第に暗さを増し、私の出番が来るころには大雨に。大会は雨天決行だったので、結局大雨の中100m走の予選が始まりました。

コースで順番待ちをしていた私は傘を持っておらず、すぐにずぶ濡れになってしまいました。正直もうその時点で気持ちが負けてしまい、早く帰りたいと思っていたその時、雨が一瞬で止みました。ふと見上げると、自分の前に走る他校の選手のお母さんが1つの傘に私とその選手を入れてくれていました。

私は助かったと思いお礼を言おうとしましたが、よく見ると私が傘に入ったためにそのお母さんは濡れてしまっていました。私は申し訳ない気持ちになり、上手くお礼を言えませんでした。その選手が先に走り出すと、そのお母さんは私に傘を渡し、どこかへ行ってしまいました。

結局私は予選落ちしてしまい、その選手とも再会できずちゃんとしたお礼も言えず、さらには借りた傘を返すこともできず、気持ちがすっきりしないまま大会を終えてしまいました。

あの時背番号をちゃんと見ていたら、名前を聞いていたら、すぐにお礼を言っていれば…と色々な後悔が残ってしまいましたが、あの時自分が濡れてしまっても気にせず私を助けてくれたお母さんの優しさが本当に嬉しかったです。

本当にありがとうございました。

FavoriteLoadingお気に入りに入れる
ハートを送る を送る (9
Loading...
スポンサーリンク
>>新しい手紙一覧へ
>>新しい手紙一覧へ