思い出をありがとう！

大好きだったあなたへ

学生時代にあなたに告白された時、心の底から嬉しくて、その瞬間から目の前の景色が変わったことをいまでも覚えています。

告白から8年
そろそろ結婚も考え始めたころ、あなたは海外で仕事をしたいと言うようになしましたね。

私は病気を抱えた親のこともあり、海外に行くのは反対していました。

結局、あなたは勤めていた会社を辞め、あらたに海外で仕事ができる会社に再就職することになり、私たちは別れることになりましたね。

あの時、病気を抱えた親のことも恨みましたし、そんな私を置いて自分のやりたいことを叶えようとするあなたのことも恨みました。
誰かを恨んで泣くことくらいしか出来ませんでした。

その別れから数年、学生時代の友人から、あなたが海外で立派に仕事をしていること、むこうで結婚したことを聞きました。

ああ、よかったな。

心の底からそう思えるようになったのは、私も現在地元の同級生と結婚し、何とか幸せに暮らしているからだと思います。

いまでもふと思うときがあります。

あの時あなたと一緒に、あなたの夢を追って海外へ行っていたら、どんな未来だったのだろうか。
洗濯を干しながら、広い空を見上げ、別の未来を想像する時もあります。

でももう私は誰も恨んではいません。
こうして時々、あの頃のことを思い出して、こんなおばさんになった自分にも、あんなに素敵な彼との思い出があったと思うと、それだけでまたがんばれます。

素敵な思い出をありがとう。
幸せでいてください。

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