生まれてくれてありがとう

息子へ

私の息子は所謂、発達障害グレーゾーン。歩き始めるのも遅ければ、2歳になっても言葉が出ませんでした。2歳半頃、小児科の医師から「この子には障害がある可能性がある」と告げられました。私は、この子をどう育てて行けば良いのか、私たち家族の将来はどうなってしまうのか、目の前が真っ暗になりました。

結局、私は育児に悩み、徐々に食事が喉を通らなくなりました。なんとか家族の食事を用意していましたが、次第にコンビニ食へ。とうとう起き上がれなくなってしまいました。私は鬱を発病し、精神科に入院することになりました。その時の私は、なぜこんな子を生んでしまったのだろうと後悔する日々でした。

そんな息子ですが、療育施設や保育園でたくさんの刺激を受けるうち、徐々に言葉が増えてくるようになりました。

ある日、テレビを見ている息子を残してお風呂掃除をしていた時のこと、必死に走り回る息子の足跡が聞こえました。「ママ！」私はその声に耳を疑いました。しかし、私を見つけた息子の目は、しっかりと私の目を見つめていました。その日のことは、決して忘れることができません。嬉しくて涙が流れました。

息子の誕生を後悔した、あの日の自分を思い出すと、今でも胸が苦しくなります。息子へ。あなたが私の元に生まれてくれたこと、心から感謝しているよ。

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