あのとき助けてくれてありがとう

駅の階段で助けてくれた貴方へ

子供を産んで少し経ったころでした。あの日私は電車で出かけなければいけませんでした。

ベビーカーにまだ小さな子供を乗せて、オムツや子供が飽きないためのおもちゃなど、たくさんの荷物をもって。子供も電車が初めてだったので、車内で子供が騒ぎ出さないか心配しながら、やっとのことで目的の駅までつきました。

さあ電車を降りよう、と思ったら、改札に出るためのエレベーターもエスカレーターも見当たらず、仕方なく私は子供をベビーカーからおろしました。子供を抱っこひもで抱っこし、ベビーカーを畳んで大きな荷物と一緒に持ち上げました。

そのときでした。貴方が声をかけてくださったのです。「手伝いますよ」と。子供を産んでから、小さな子供を連れて電車に乗るのは初めてで、気づかないうちにずいぶん気が張り積めていたようです。私はとてもほっとしてしまい、ありがたく好意に甘えさせていただきました。

ただベビーカーを運んでいただいただけでなく、ひとりでがんばらなくて大丈夫ですよと言っていただけた気がしました。

あのとき無理をしていたら転んでいたかもしれません。助けてくれて、ありがとうございました。

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