素晴らしい映画を作成して頂きましてどうも有難うございました。

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亡き映画監督のT氏さんへ

亡き映画監督のT氏さん。
あなたの素晴らしさは今までお恥ずかしながら全く分かりませんでした。
この時代にまだ手書きに拘りしがみついちゃって、なんて古臭いのだろう、
とあまりあなたの映画に興味を持っていませんでした。

しかし、あなたが作成した超大作の昔物語のアニメーション映画を観たとたん、
その考えは一変しました。

最初から最後まで涙が枯れるまで泣きっぱなしでした。どうしてこんなに涙が溢れ出てくるのだろう?と不思議でした。
その理由は、私が幼少から独立するまでの懐かしの光景風景が細部に渡り、すべてこの映画の中に見事に描かれていたからでした。

鳥が囀る音、カエルやバッタが跳ねる感じ、鳥が一斉に飛び立つ場面、盛大な桜のピンク色の再現性、そよ風のざわざわした感じ、近所の子と一緒に夜遅くまで野山を駆け巡った光景、崖から転げ落ち痛かった場面、そして、親との別れ。

その何もかもがこの映画の中に含まれており、この一本を鑑賞することで、自分の人生全てを思い出すことができる。そんな映画は今まで有りませんでした。

そのような映画をこの世に残してくれた、亡き映画監督のT氏には感謝の言葉しか有りません。もし、この映画が無ければ、衰えた私の脳からは幼少期の大変楽しかった思い出を脳から引き出すことは出来ず、埋もれてしまって二度と思い出すことが出来なかったでしょう。

歳をとって再び人生回顧をさせて頂きました。愛情こもった映画を作成して頂いて、本当に感謝します。亡くなってから初めてその人の偉大さが分かるものですね。ほんとに本当に超大作をどうも有難うございました。安らかにお眠りください。

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