パリで立ち往生していたとき

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あの時助けてくれたマダムとムシューヘ

パリに滞在中、10枚綴りもの回数券を買ったものの磁気不良になり一向に地下鉄の改札に入れない。

右を見ると同じような磁気不良の切符を持ったマダムも。しかも子供が先に改札の中に入ってしまって困っている。駅員さんのいない改札。あるにはインターフォンのみ。「あら、あなたも?」みたいな顔をしてインターフォンで話し込む。

どうやら前の人について行ってとなったようで、たまたま通りかかった人の後ろをついて行って無事彼女は改札を通過。インターフォンで話していた内容も聞こえないし、聞こえたところで簡単なフランス語しかわからないわたしには何もわからなかったと思う。しかもパリはそうした無賃乗車する人が問題になっていてとても厳しい。彼女もその前の人に事情を説明していた。フランス語で。

通る人もいないし、そのごインターフォンは一向に繋がらない。さすがフランス、それでこそフランスと面白がってはいたけど地下鉄に乗りたい。仕方がないので一度地上に戻り違う改札口に向かう。

そこも駅員さんはおらず、インターフォンのみ。またまた左側に同じように磁気不良のマダムが。2人で途方にくれながら、インターフォンを押すが繋がらない。やっと繋がったとも思い私が英語で説明してもなにやらすごい早口でぶちっと切れる。マダムと2人で顔を見合わすが、ここはわたしがフランス語で言うわとマダムが押すが繋がらない。

そのとき、改札を通って振り返る男性が。マダムが事情を説明したようでなにか会話をしているけどわたしにはちんぷんかんぷん。彼が改札の近くにいた私に手を伸ばすので反射で受け取るとそこには切符が。ああこれで入れということなんだと顔を上げるともうそこにはその男性がおらず、お礼をいうことができなかったのです。

マダムにも切符を見せて一枚しかなかったのでこれで一緒に入ろうとジェスチャーで伝えるが伝わらず、私に先に行けと手を振る。さむい中マダムを取り残してしまうことに罪悪感はいっぱいでしたが、私が残っても何にも役に立たない上に改札の中に入ってしまったので進まないと他の人の迷惑になってしまう。

よかったねと見送ってくれたマダムにも、窮地を救ってくれた紳士にもありがとうが言えなかったわたし。この場をお借りしてほんとうにありがとうございました。パリで温かい気持ちになれたのはあなた方のおかげです。困っている人を見かけたら迷わず手をさしのべようと思います。

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