ありがとう

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私は、小さいころ姉を母と間違えて覚えていました。
母は超高齢出産で私を出産して、当時50代突入。姉は15歳で、全寮制の高校に入寮していましたが、一時帰省で帰ってくるたびに保育園に迎えに来てくれた姉のことを「ママ……よー姉ちゃん」と言い直していました。
母は歳を取りすぎていて、家の中のことは帰省するたびに姉に任せきりで床に臥せっていました。
姉もそんなに強い体をもっていなかったはずなのに、母が臥せるので必死で家族を帰省中は支えてくれていました。
それは、高校を卒業して大学に進学した後、就職してからも続きました。
私が中学3年生のころ、私は難病指定をうけました。
姉が、お金から病院からすべての治療体制を整えてくれて
「高校受験したいならしなさい、近くに転職するから」と力強く言い切ってくれ、私が不安に思わないようにしてくれました。
正直、何もできない母よりも頼りになりました。
そして高校在学中、姉は職場で倒れて救急搬送されました。
学校にもすぐに連絡が入り、大慌てで父と二人で駆け付けました。
この父と、倒れた姉と、この二人がいなければ今の私はいません。
生きた心地がしませんでした。
その姉の倒れた年に、私は高校を卒業できました。
この時、本当に姉に感謝しました。
ありがとう。
頼むから、容体が良くなりますように。
私も、早く大人になります。
この、ありがとうの気持ちが姉に届きますように。

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