- 13 その他のありがとう
- 2018.11.18
違う宿泊先の電話番号を教えてくれてありがとう
当時、私はワーホリに行くために一人暮らしの部屋を引き払い、実家に一時帰省していました。両親とは仲が良かったのですが、同時に感情を曝け出すケンカもしていました。
空港から、実家までが遠いこともあり、空港の近くのホステルに泊まることに計画を立て、家を一日早く出発することにしました。私は、空港の近くのホステルに事前に予約も入れてありましたが、細部までは両親に報告していませんでした。
それが原因かは分かりませんが、出発前に少し、不安気に私を送り出した母は何かに怒っているようでした。
さて、私は次の日無事に出発し、ワーホリーに行ったわけなのですが、両親は、その後、慌てまくっていたそうです。
「あの子はちゃんと、飛行機に乗れたのかしら?」
「何で、家から出発しなかったのかしら?」
「どこに泊まったんだろう?」
「行っていないのでは?」
「もしかして、自殺をしようとしてるんじゃ?」
両親がどんなことを考えていたかは分かりませんが、私はもう自立していたので、細部まで話す必要はないと思い込んでいました。やはり、親ですね。
普段、オットリした二人なのに、思わぬ行動に出たのです。
母は、とりあえず、電話をしてみようと、電話帳で片っ端からホテルに電話をかけまくったそうです。しかし、当時はまだ、個人情報についても今よりは緩く、そういう人が泊まっているかは教えてくれました。
さて、母は電話してみるも、「そんな人は泊まっていない」など言われる方が多く、諦めようとしたその時、あるホテルの電話番号を見つけました。
そのホテルはいわゆる、ラブホでした。母がどうして、そのホテルに私が泊まると確信したのかは、分かりませんが、とりあえず、電話してみたそうです。電話のフロントの人は、最初、何だろうと思ったに違いありません。
母は、事の発端を話し、どうしたらいいかと、関係のないラブホのフロントの人に話しました。普通なら、「そんな人は泊まっていない」などで終了するに違いありませんが、このフロントの方は違いました。
「空港から近くて、安いんだったら、アソコかな?」
と言い、ワザワザ電話番号まで調べてくれたそうです。母が電話をし、私が泊まっていたホテルのフロントに繋がると、
「その方なら、今朝出発しました」
と言って、やっと両親が胸を撫で下ろしたそうです。この話を私が聞いたのは、大分だってからの事でした。
もし、この一件がなければ、両親は不安を抱いたままで、辛い思いをしたに違いいありません。なぜ、どうして、ラブホテルに母が電話をしたのかは、謎ですが、機転の利くフロントの人に親切な対応に助けられました。
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