見捨てないでくれてありがとう

母へ

おかあさん

私が家を出て８年が経ちました
家を出るときは意外にもあっさりとしていたのを思い出します

うちはよその家と比べて貧乏で、父が仕事をしていなかったこともあって
お母さんが家族全員を支えていましたね
仕事を掛け持ちしながら、私たちの世話をしてお母さんまで体を壊してしまいましたね
私はそのとき５歳でしたが、今でも覚えています

お母さんが病気になって治療のために家から離れ
お母さんと離れて生活した数年間
一緒に過ごせるようになり、私は高校生になり　反抗期になりました
貧乏な家が許せませんでした　仕事ができない父のいる家が許せませんでした
毎日喧嘩して　暴言ばかりあびせてしまいましたね
毎日死ねと言い続けてもお母さんは耐えてくれました

今でも忘れられない　高校２年生の冬
いつものように喧嘩していたらお母さん言いましたよね
「このまま一緒に死んでもいいよ」
その言葉に驚き　返事もせずに家を出ました
私はどれほどの苦労と負担をかけたのでしょうか

あれから１０年近く経ち、少しは大人になれたのでしょうか
今でも電話すると笑って返してくれるお母さん
あなたのような優しい女性になれるでしょうか
病気の通院も隠れて通いながら　育ててくれたお母さん
本当にありがとう

もうすぐ嫁ぐわたしですが　
おかあさんのように家族を守れる人になりたいと思っています

お気に入りに入れる