- 03 お祖母ちゃんへのありがとう
- 2018.09.07
あれから10年
ばぁちゃんへ
まだ妊娠に気づく前。
ばぁちゃんが亡くなった2年後。
夢にばぁちゃんが出てきてくれたよね。
今でも鮮明に昨日の事のように覚えてる。
なーんにもない草原みたいなところ。
ばぁちゃんが5歳ぐらいのおかっぱで前髪パッツンの女の子と手を繋いで立ってた。
目が合ったって思った瞬間、女の子が走ってきて「お母さん!!」って抱きついきて、ばぁちゃんが「こんな可愛い子を見せてくれてありがとう」って言ってくれたよね。
情けないけどずーっと可愛がってくれてたのにその時初めてばぁちゃんのの声聞いたんだ。
いつもニコニコじぃちゃんの後ろに立って積極的に話す方じゃ無かったから。
自分の意思があるのかも分からないぐらい介護が必要になって同居した時。
ちょうど受験シーズンで夜中まで塾に通ってたあたしが帰ってきたら必ず起きて車椅子に座ってご飯食べるの見てたよね。
お母さんが笑ってた。「仲良しだもんね」って。
入院してほぼ寝たきりになったときもお見舞いに言ったらあたしには反応してくれたね。
看護師さんがびっくりしてたよ。
「他の方にはあんまり反応しないのに」って。
亡くなった時。
現実逃避してたのかな。泣けなくてそんな自分が嫌で仕方なかった。
でも、火葬場にあたしだけ行けないって言われて理由も教えてもらえなかった。
その時初めて怖くなった。会えなくなるなんて思わなかったから。
泣けて泣けて仕方なかった。ようやく泣けたのに苦しくてどうしようも無かった。
だから夢の中で会えた時嬉しくて話したい事が沢山あったのに何も言えないまま目が覚めた。
でも、後悔は無かった。娘の存在を感じてたから。
あれから10年経ちました。
貴女があの日連れてた娘はとても元気で毎日給食お代わりしてます。
5歳の時の娘はばぁちゃんが連れてた女の子そのものだった。
ばぁちゃんありがとう。
あの時、娘とばぁちゃんを会わせられたのが、唯一のばぁちゃん孝行かな。
じいちゃんと2人でこれからも見守ってください。
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