毎日をありがとう

お母さんへ

　長い間、お母さんから愛情と優しさを当たり前のようにもらっておいて、恥ずかしながらごく普通の感謝をしてきました。でもお母さんがくれた全ての本質に気づいたのはわたしが家庭を持つようになってからでした。

何よりも、毎日の食事がこんなにも家族を形作るだなんて思いもしなかったのです。みんなで食卓に揃う、バランスのとれた美味しいご飯を食べさせる、その日の事を話す、わたしが作りなれて家族も食べなれた一品がある、苦手なものをどうやって食べてもらえるか工夫する、旬のものを出すことで四季を感じる。

各々の家庭でルールは違えどもこうした毎日が家族のルーティンを作ります。やがて育った子たちがそれぞれ家族をなしていくとき、わたしが感じたのと同じようにひとの生活の営みのつながりを思いだすのでしょうか。

お母さんが毎日大変な思いをしながら作ってくれた食事達は、長い時間をかけわたしを育むとともに私の家族の形成をそっと手伝ってくれています。ありがとうお母さん、あなたの教えてくれたコロッケは夫の大好物となりました。

冬に帰省します、そのときはまた料理を教えてね。

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