- 07 息子・娘へのありがとう
- 2018.08.22
たった独りで苦しんでいた事を打ち明けてくれてありがとう
これから男の子になる娘へ
我が家にはもうじき成人を迎える娘がいます。
幼少期はとても可愛く素直でよく気がつき育てやすい子でした。
中学生になると塞ぎ込む様子が多く見られ
話しかけてもそっけなく娘もいつも暗い表情で
私もどう接したら良いのかわからず
「何かあったの?」とか「何が不満なの?」など
きつい言葉もかけてしまったこともあります。
高校は部活動で進学スポーツも勉強もとても頑張っていたのですが
人間関係に悩んでいたり部活動の監督にもおかしな奴という
隔たりを作られてしまい明るい表情はほとんど見られなくなりました。
高校生時代だし悩みはつきもの 何かしらはあるものだくらいの感覚で
仕方ないと思いながらも 自宅ぐらい居心地よくと好きな料理を作ったり
できるだけ話したり笑顔になれる時間を作っていました。
ぶっきらぼうな感じはありましたが
私にはいわゆる反抗するような態度はみられませんでした。
でもほとんど学校で生活しているわけですから毎日が心配で気がかりで
仕事にも身が入らないほどでした。
高校生時代から娘はどちらかというとボーイッシュなスタイルでしたが
スポーツをしていた事から違和感もあまり感じずにいました。
でも何となくもしかしたら(性的違和)・・・という
疑いも私は感じていました。
高校を卒業したある日突然その日はやってきました。
今時らしい口頭ではなくLINEでしたが
「今まで言えなかったことがある 自分はトランスジェンダーで
FtMなんだ 自覚してから6年間誰にも言えず 周りからもおかしな奴扱いでずっと苦しかった けどこれからは男として生きていきたい!
驚いたと思うし理解してもらえないかもだけど ママとパパには認めて欲しい」
内容はとても長い文章で全てを読むには時間がかかりました。
6年間悩み情報も沢山集めたのでしょうかわかりやすい知識を
集めたものも送られてきて最終ゴールは手術をして
戸籍の変更という意思でした。
あぁやっぱりそうだったんだと 暫く涙が止まりませんでした。
一度仕事の関係でLGBTについては多少の知識があったので
すぐに事情を飲み込むことはできたのですが
やはり私の育て方が悪かったのかなとか お腹に居るとき男の子をと願ったからなのかなとかどうしてもそう思ってしょうがありませんでした。
もちろん育て方でそうなってしまうわけではないというも承知です。
これからあの子はどう生きていくんだろう 将来孤独なのかなとか
治療や手術のことを考えると不安でたまらなくなりました。
でも一番あの子にとって幸せのカタチってなんだろう?
あの子が生きやすく笑顔でいてほしいと願うのです。
主人は言いました「生きているんだからいいだろう」と
話し合いは何日も続きました。
私たち夫婦と二番目の娘 家族3人は認めようと決めました。
「パパとママにもらった体だけど今後残せるものは少ないから
男としての名前は二人が決めてね」と言われ
認めるからねの意味を込めまして男性名を付けました。
「わかってくれてありがとう!」とスッキリした様子の我が子
あんなに暗い表情だったのですが
カミングアウトしてからいきいきと笑顔で人が変わったようでした。
この子はこんな表情をするんだなぁ 本当は甘えっ子だったのかなとか
もう成人になるのに初めて見る表情ばかりです。
そのカミングアウトから片っ端からLGBTについて調べました。
その中でも親にも友人にも誰にも言えず苦しんで居る人たちが
沢山いることがわかりました。
親にとっては子供が何に対して悩んでいるのかわからないことが
不安で辛い事だと思います。
話してくれなかったら今でもモヤモヤ心配の日々が続いていると思います。
もちろん今後の事を考えると不安もありますけど
自分らしく生きてほしいですし 仕事を頑張っている姿や
今後の事を沢山話してくれるその気持ちの方が勝りました。
どんな姿であっても今の関係の方が気持ちが良いです。
今では治療も開始して心はすでに男の子ですから
一緒に買い物に行けば荷物も持ってくれるしとにかく優しくなりました。
私も娘もいるし息子もいると二倍楽しめるんだ!と思うようになりました。
とてもデリケートな内容ですし話しにくい事を
「 打ち明けてくれてありがとう 」
この子にとって生きやすいようにこれからも応援していきます。
-
前の記事
小さいのに頑張ってくれてありがとう 2018.08.22
-
次の記事
家族の協力に感謝! 2018.08.22