- 06 夫・主人へのありがとう
- 2018.05.10
たくさんの幸せをありがとう
妊娠が分かった時、まだ付き合い始めて数ヶ月。
結婚の話は出てたものの詳しい時期も決まってなかったし、親への挨拶もしてなかった。
検査薬が反応した時、私は嬉しさではなく「やってしまった…困る…」という気持ちが第一だった。
きっと彼も同じだろう。
仕事はどうしよう。
結婚?!お金は?!
…そもそも結婚するのか?!
もう黙って堕ろしてしまおうか。
切羽詰まった私は一人でそこまで考えていた。
少し落ち着いて、どんな決断であれ彼には伝えないと。
そう思って検査薬の写真とともに彼にメールをした。
すぐかかってきた電話。
困ってるだろうな、堕ろしてくれって言われるのかな。
そんなことを考えながら電話に出ると予想とは違う声色。
「本当?!赤ちゃんいるの?!嬉しい!!」
私はマイナスな考えしかしてなかったのに、彼はプラスに捉えていてくれてた。
そんな言葉が何よりも嬉しかったのを今でも覚えている。
そこからの彼の行動力には圧倒されるばかり。マイペースのめんどくさがりだと思ってたのに、すぐ実家に挨拶に来て、婚姻届を取ってきて、荷物を持って私の一人暮らしの家にやってきた。
妊娠中は誰よりも過保護で心配性。
私以上に検診を楽しみにしていて、検診の日の夜帰ってくるなり、「ただいま」より先に「エコーもらった?」とお腹の中の子どもの成長を喜んでくれた。
難産の末やっと産まれてきた息子。
しわくちゃで小さくて、細い。
思い描いていたふっくらした可愛らしい赤ちゃんとは程遠い見た目だった。
それでも可愛い可愛いと抱いて離さなかった。
それから数年経った今、誰よりも子煩悩で、息子と遊ぶのが趣味だというような父親になっている。
そんな彼が1度だけ不安を口に出したことがあった。
片親で育ったため、父親を知らない彼。
自分は父親がどう言うものかわからない、自分は父親になれるのか…そんな心配を口に出したことがあった。
私はその時うまく慰めることができなかったことをずっと後悔していた。
でも今なら答えられる。
大丈夫。
あなたは一番の父親だよ。
あの時、妊娠を喜んでくれてありがとう。
結婚してくれてありがとう。
たくさん労ってくれてありがとう。
手探りながら一生懸命やってくれてありがとう。
いつも支えてくれてありがとう。
息子の大好きなパパになってくれてありがとう。
これからもずっとずっとよろしくね。
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