ありきたりだけど、ありがとう。

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ありきたりな名字へ

「どうか、同じ名字の人と一緒のクラスにしてください。そうしたら、下の名前で呼んでもらえるから…」

中学1年生の時、中2のクラス替えに向けて、通学路にある神社で毎日拝んでいたことが懐かしいです。

私の名字はとても平凡な名字で、少しコンプレックスを感じていました。
なので、名字で呼ばれることが嫌で嫌で仕方のなかった私は、毎日祈っていました。学年に同じ名字の人は自分を入れて5人で、クラスは全部で3クラスありました。

毎日の必死の祈りが届いてか、中2では同じ名字の人と同じクラスになれました。クラスの全員が下の名前で呼んでくれたことが本当に嬉しかったです。

中3は、「自力で下の名前で呼んでもらおう!」と意気込んでいたものの、また同じ名字の人が。高校生になっても。

あの時に、祈り過ぎたのかなと思いました。

でも、名字が同じというだけで親近感が湧いて。
「どんな名字の人と結婚したいか」「その名字になったら、子どもにどんな名前を付けたいか」というよく分かない夢を語り合い、大盛り上がりだったのもいい思い出です。

ありきたりで、コンプレックスだった名字だけど。
一緒の名字で盛り上がれて、楽しくて。その点ではよかったなと思っています。私たちの共通点は、“名字”以外なかったからです。
名字が一緒ではなかったら、話さなかったし、あんな話で盛り上がることもなかったでしょう。
“名字”という共通点で、私たちを繋いでくれてありがとう。

卒業したら、なんとなく疎遠になってしまいました。
いつかまた会えたら、あの時に盛大に語り合った夢が叶ったのか聞いてみたいものです。

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