私を本好きにしてくれてありがとう

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母へ

私は本を読むのが好きです。二十代半ばを過ぎたあたりから、読書量はめっきり減ってしまいましたが、それでも月に1~2冊は小説を読みますし、待ち時間がありそうな外出のときには必ず文庫本を持ち歩きます。
私がなぜ、このように本に親しんでいるのか…そのおおもとの理由は、私が幼い頃から、母が図書館に連れて行ってくれたからだと思います。
それこそ物心つく前から、私は二週間に一回、地元の図書館に通っていました。日常生活のひとつとして溶け込んでいたので、私は高校生になるまで、誰もが図書館に通っていると思い込んでいたほどです。
小学生の頃は、漫画や漫画に関する本ばかり借りていた記憶があります。中学生になってからはライトノベルを読み始め、高校に入る前には一般的な大衆小説を、それ以降はジャンルに縛れず多種多様な文学に手を伸ばすようになっていました。
日常生活の中で、階段を上るように様々な文学に触れるようになっていったので、今では文字への抵抗は全くありません。その抵抗のなさは、趣味ばかりでなく仕事にも生かされる、私のスキルのひとつになりました。
小説を通して、様々な考え方や生き方を知り、曖昧な自分の心・状態を言語化できるようになることは素晴らしいことです。感性が無限に育つのを感じますし、自分が社会で生きるには不可欠な存在だと思っています。
私にとって、文学をそんな大切な存在にしてくれた母が、実は文字や文学に相当苦手意識を持っているのが面白いところですが…。とにかく、私を本好きにしてくれてありがとう、と心から言いたいです。

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