雨の中で手伝ってくれてありがとうございました。

通りすがりの人へ

今から１０年ぐらい前の話です。土砂降りの雨が降っている秋の夜の5時頃のことでした。私は雨の中メガネに雨粒がこもって、とても見えづらい状態で歩いていました。レインポンチョは着ていたのですがそのうちに雨粒が大きくなりまともに前が見えない状態でした。まだ家が近かったのでそのまま行こうと思っていました。両手は仕事に使う大事な荷物を持っていたのであまり使えません。その状態で道を歩いていました。バス停で降りたときはそんなに降っていなかったのですが1分ほど経つと大粒の雨に変わっていました。「早く帰りたいなー」と心の中で思いながら歩いて行くと何かに触った途端レインポンチョが引っかかって動けなくなりました。仕事机の上に置くものを持っていたので道路には起きたくなくて困っていました。
道を歩いている人はほとんどいません。それで誰かを呼ぼうとしても無理なので道でうずくまってしまいました。引っかかっている所は大きな釘が出ていてレインポンチョに裾が引っかかっていたので 大きく動くとポンチョが破れてしまいます。泣きそうになっていると自転車を乗った男性が降りてきてくれて一緒にポンチョを引っ張ってくれました。少し時間がかかりその人も随分濡れてしまいました。ようやく釘から離れて歩くことができその人に何度も何度もお礼を言いました。本当に通り過ぎの人だったので名前も知らないのです。お世話になりました。ありがとうございました。御恩は生涯ずっと忘れません。

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