あのときのありがとう

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私の親友へ

15年来の親友に言いたい「ありがとう」についてお伝えします。
学生の卒業間際のころです。わたしは、長年クラスから浮いていてそのことで精神的にとても苦しい思いをしていました。
そして決定的なことが起こり、学校に通うことができなくなりました。幸いにも進学先は
決まっていて、もう特に何もすることはなかったのですが、家族には「もう行きたくない」と
だけ伝え、本当は何があったのか何も言えませんでした。学校に行かない間は、
できるだけ何も考えないように家族と過ごすようにしていましたが、ふとした瞬間に
自分はとても大きなミスをしてしまったのではないかと、不安で胸がいっぱいになる夜もありました。
親友とは、連絡を取れる状態ではありましたが、自分が学校でどういわれているのか、
そして、親友がどう思っているのか、もしかすると見捨てられてしまうのではないかと思い
核心に触れる話題を自分から持ち出すことはできず、連絡をしていませんでした。
そして、学校に行かなくなってしばらくして親友からメールが来ました。
件名はお互い面倒くさがっていてつけていませんでしたし、やり取りが多いせいで「Re:」
ばかりのタイトルでした。私は、「ああ、とうとうきてしまった」と、不安と恐怖でメールをしばらく開くことができませんでした。
やっと決心を固めてメールを開くと、今度の土曜日に会えないかという内容でした。
もしかすると直接何かを言われるのかも、と思いましたが精神的に参っていたので
親友と会って話したい気持ちもあり、了承の胸を送りました。
そして、当日。待ち合わせの場所に着いて親友を待ちました。正直、逃げ出したい気持ちも
ありました。会うのは、親友なのだから、きっとなにもないはずと思い直しました。
親友が待ち合わせの場所に現れた時、いつも通りの状態で安堵したのを覚えています。
彼女は、「ひさしぶり」も「大丈夫?」もなく、心配も同情もない声で「元気にしてた?」と
言いました。もしかすると、私が不安でいっぱいだったのでわからないだけだったかもしれません。
でも、私が学校に行っていないという事実をそのまま受けとっているということが
本当に心を救ってくれました。
それから、親友は私のクラスのひとから色紙の紙を書いてほしいといわれたといいました。
担任の先生へのメッセージカードをその場で書き、親友に渡しました。そのあと、少し世間話をして
別れました。親友は、学校へ行ってない間の生活については特に何も聞きませんでした。
私が、学校でどういわれているのかも、何も。
彼女のそんな行動にも救われたような気がします。
今でも、彼女とは友達で、親友です。
でも、そのときの「ありがとう」を恥ずかしくてちゃんと伝えられなかったので、
この投稿の後、伝えに行きたいと思います。

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