あなたがお腹に来てくれたから

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おこめちゃんへ

あれから、3年が過ぎようとしていますね。
今はどうしていますか?
さみしくないですか?
どこにいるのかな。

おこめちゃん、あなたが私のお腹に来てくれたのは、寒い寒い冬の日でしたね。
一生懸命に動いていたあなたの心臓の点滅、忘れたことはありません。

年が明けて、初めての妊婦健診で、先生からの質問に答えながら、楽しみにあなたと会えるのを待っていた私と夫。

あなたが一生懸命に生きているところを、夫に見せたかったです。
だけど、小さくなってしまったあなたを見て、心臓の動きがわからなくて、あれほど現実を恨んだことがあったでしょうか。

あなたの命が宿ったことで、私と夫にもたらしたものはとても大きく、直接見ても話してもいないのに、何より大切に思っていました。
だから、お別れがとても辛かった。

このかなしみは一体なんの試練なのか。
試練なんていらないから、あなたが大きく成長するところを感じていたかったし、見ていたかった。

もしかしたら、生き返るんじゃないかって、期待を捨てられずに手術を迎えたあの日。

それでも奇跡は起こらなくて。

いろんな感情が駆け巡ったし、自暴自棄になったりもして、仕事も何もかも放り出してしまいたかった。

でもそこから私が得たもの。

本当に大切にするべき人が誰なのか、夫の涙も、妊娠すること、無事に産まれてくることが当たり前じゃないこと、自分の身体を大切にすること……

今、思うのは、おこめちゃん、あなたを亡くしてしまったかなしみだけが人生を埋め尽くすんじゃなくて、そこから溢れた私が持っていた大切なものが、もっと大切に思えるようになったことは、せめてもの救いだったなと。

そして、今、出会えたあなたの妹は、とっても元気で、笑ってて、大きくなったんだよって。
きっと、たくさん守ってくれたんだって、思ってるよ。

あなたのお母さんは、けっこう抜けてて、うっかりしてるし、失敗ばっかりだけど、でも今あるものを大切にしながら、これからもあなたのことを思いながら、頑張って生きるよ。

あの日、私たち夫婦の元に来てくれて、本当にありがとう。
短い間だったけど、命を感じさせてくれて、本当に本当にありがとう。
今でも、いつもあなたのことを想ってるよ。

また、いつか会える日を夢見て。

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