あの頃はわかりませんでした

お母さんへ

お母さん、ありがとうございます。普段は気恥ずかしくて言えませんが、感謝しています。

わたしは結婚して家を出るまで、ずっと実家暮らしで甘えてきました。当然のように身の回りの世話をしてもらい、肉親の甘えで、生意気なことを言ってしまったこともありました。

ですが、わたしも結婚し新天地で毎日仕事をしながら家のことをする中で、お母さんの大変さがようやく少しわかるようになってきました。

自分で経験してみないとなかなかわからないものですね。あの頃は、親に感謝しなければならない、ということを本当の意味では理解できていなかったのだと思います。

わたしにはまだ子どもがいませんが、これに加えて子どもを3人育てなければならなかったお母さんはどれほど忙しかったことでしょう。自分の時間なんてなかったと思います。

わたしの記憶の中のお母さんは、仕事の電話をかけたり、料理をしたり、掃除をしたり、裁縫をしたり、いつも働いていました。そんな多忙な日々の中で、わたしたち子どもの前で弱音を吐いたことなんて一度もありませんでしたね。本当に強く、明るいお母さんでした。

わたしたちのために、自分を犠牲にして頑張り続けてくれて、本当にありがとう。これからはわたしが恩返しをするので、無理はせず、長生きしてください。

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