- 12 先生へのありがとう
- 2019.07.03
美術部に誘ってくれてありがとうございました
美術の先生へ
美術の授業の担当が先生で本当に良かったです。
もしあの時、先生に出会っていなければ、
私は一生、絵心のない人間として生きていたと思います。
絵の苦手な私にとって毎年学校で開催される写生大会は地獄でした。
絵が上手くても下手でも関係なく
全校生徒の絵画が学校中の廊下の壁に張り出され、
学校中の人々の目に触れてしまうのです。
クラスの男の子に絵のことでからかわれても
下手な絵を描いたのは事実なので言い返す言葉もなく、
悔しい思いをするのが恒例行事のようになっていました。
写生大会で入賞作品が決定した後、
自分の描いた絵は美術の授業の時に戻ってきます。
先生は私に絵を渡しながら
放課後、美術室に来るようにと言いました。
私なりに真剣に描いた絵でしたが下手すぎるので
きっともっと真面目に描けと怒られるのだろうと思い、
ビクビクしながら美術室のドアを開けたのです。
先生の姿が見えなかったので職員室に行こうと思いましたが
美術部員の人達が描く油絵があまりにも美しくて
思わずぼーっと見とれてしまいました。
すると先生が後ろからやって来て、
「おまえの絵はすぐにこうなるよ。」
と信じられないことを言うのです。
私の絵と美術部員の油絵では雲泥の差があって
比べるスタートラインにすら立っていないのに、
先生は何を言っているんだろうと思いました。
頭の中は、はてなマークだらけになっていたのです。
先生曰く、私の絵は構図の基本ができていないから下手に見えるだけで、
基本さえ身に付ければすぐ上手くなるとのことでした。
先生の一言で、私の美術部入部がその場で決まったのです。
先生はデッサン用の鉛筆の使い方から教えてくれました。
基本がわかると絵の世界にどっぷりハマっていきます。
あれだけ絵心がなく絵に興味を持てなかった私が
絵を描いていないと落ち着かないようになりました。
あれだけ嫌いだった写生大会が待ち遠しくなったのです。
先生が美術部に誘って下さったおかげで
絵を描くことは嫌なことから楽しいことに変化しました。
自信を持たせてくれて本当にありがとうございます。
先生に出会えて幸せです。
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