喧嘩ばっかりの父娘だけど

おとんへ

おかんと離婚してからのあなたが本当に嫌いだった。
毎日毎日おかしくなったように怒ってたし、慣れない家事に余計イライラしてたし、とにかく家の中にいる事が嫌だった。

毎日毎日喧嘩ばっかりになって、顔見るのも喋るのも嫌になったし、お互いに接し方わからなくなってたのかな？
もうどうしようもない拗れ方しちゃってたし、これから仲が良くなる事も無いと思ってた。

学校卒業してからはすぐに家を出たし、気になって連絡しても愛想の無いおとんが本当に嫌だった。
それでも私が結婚した時、出産した時、やっと世話になった気になった。

子供が大きくなって、おじいちゃんって呼ぶ頃になったらいつも子供の事を気にかけてくれた。
少しその気持ちに感謝したくなった。
子供を介して会話して、それでもまだ折り合えなくて、また嫌いだって思ったり感謝したりを繰り返した。

子供を産んで10年、家を出たのはそれ以上前。
やっと子供抜きで会話が出来て、少し穏やかになったあなたが小さく見えました。
歳をとったんだなって、少し心が痛くなったよ。
もう大きな声の怒鳴り合いはする事も無いと思うし、痛い痛いと思いながら手が出ちゃう事も無いと思います。

少し小さくなったあなたと話したい事が今のなって出て来るようになりました。
今ならわかってあげられる事も多いです。
家を出るまでどんなに喧嘩になってもご飯を用意してくれた事、思い出しては今になって感謝の気持ちが出てきます。

素直な娘じゃなくてごめんなさい。
育ててくれてありがとう。
孫を大事に思ってくれてありがとう。
もっと歳を重ねたら、もう少しあなたをわかってあげられる日が来ると思います。

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