アドバイスをありがとう

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ご近所の女性へ

夫の転勤で初めて遠方に引っ越した時のことです。

半年が過ぎたころ、ご近所の方が大往生で亡くなりました。生前、私たち夫婦にとても親切にしてくださっていた方で、私と夫はお通夜にむかいました。

ところが私の地元のお通夜とその地域のお通夜は、同じお通夜と呼ばれていても服装・お金・顔をだす時間帯などなにもかもが違うものだったのです。

それまで仲良くしてくださっていたご近所の方々が私たち夫婦を睨みつけ、ヒソヒソと耳打ちを始めました。「常識がない……」「あの夫婦、頭がおかしい……」という言葉が聞こえ、私はひどくショックを受けて動けなくなってしまいました。

するとひとりの年配の女性が私と夫を物陰にそっと連れていき、この地域のお通夜のあり方を教えてくださり、どう対処したらいいかのアドバイスもくださいました。

「私も昔、よそからお嫁にきて、ずいぶん失敗しちゃったものよ」

とおっしゃって、その後は地域のお祭りや会合のたびに、暗黙の了解となっているしきたりを私に電話で教えてくださいました。

私はそれまで地元から出たことがなく、地域によってここまで習慣やしきたりが違うことをあまり理解していませんでした。市役所から配布されるゴミの出し方など、ハッキリ記されてされているものは読んで守ることができます。でも、地域の行事や冠婚葬祭のマナーは説明書があるわけではありません。

あのときアドバイスをくださった方に、心からありがとうを言いたいです。

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