心が豊かになったよ。

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前撮りの写真を撮ることができなかった私へ

まだ10代の私へ。友達を大事にしてください、人との距離を詰めすぎないでください、自分の価値観を、押し付け、強要しないでください。

あなたは数年後に大切な友達が二人離れていき、一人の友達は、死の淵に立たされることになるのです。貯金もしておきなさい、お金に困ることになるから。どんなことも肯定するようになりなさい、生きるのがグッと楽になるから。

ちゃんと感謝を伝えるようになりなさい、恥ずかしがらずに。楽しいことは独り占めせずに共有するようにしなさい。友達が増えるよ。

そして何より、この時代だからこその、横に大きく広がった輪に無理やり入ろうとしないでください。自分を苦しめます。

あなたはこの時、周りは皆、同性ばかりで成人式の前撮りをみんながしている季節でしたね。周りがしていることを私もしなければならないという気持ちもあれば、和服が大好きなあなたは、成人式の前撮りを楽しみにしていましたね。でも現実は理想とは大きく違いました。

家庭の事情で前撮りを取ることができませんでした。悔しくて悲しくて母を責めましたね。

それから一年が経過しました、前撮りは取ることができなかった。今年は撮りに行こうね。と言ってくれました。でもそれは叶いませんでした。翌年も同じことを言ってくれました。叶いませんでした。

さすがに堪忍袋の緒が切れた私は、いつになったら撮るの、問いかけると、あなたが成人式の時より2キロも太ってしまったから写真は撮ることはできない。代わりに京都に行ってそこで着物着て写真を撮ろう。と母は言いました、

叶いませんでした
それもまた2年ほど待ちました。

声を荒げて母に訴えました。前撮りもできなかった、提案した京都旅行にもいけない。どうしてくれるの。

あなたが行きたい所に連れて行く、それが成人の祝い
それが答えでした

最初からそれでよかった、そう思いました。

行ってみたかった場所がありました。自分の足だけではどうにも行けそうな場所ではなかったので、母と共に行ってきました。

すっごく楽しかった。時間に終われる旅行だったし、想定しているよりもずっとずっと寒かったけど。この日のために少しだけ体重を落として、食も文化もめいっぱい楽しんで。見たかったものが見れて、綺麗に写真が撮れて。最高の思い出になった。

一生忘れられない思い出になったよ。

だからどうか、前撮りが撮れなかったことだけずっと引きずって悔やむのはやめてください。私は前撮りが撮れなかったこと、悔しかったけど、今回の旅行が、忘れられない思い出になったから。悔いがないわけじゃないけど、それを上回るぐらいずっとずっと楽しかった。 だから、前をだけを見てと難しいことは言わないから。前を向いて人生を歩んでいこう。

20代になった自分より。

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