許してくれてありがとう

たいせつな私の友達へ

あなたの好きだった人を、私も好きになってしまい、その彼と付き合うことになってしまったこと、あの時は本当にごめんなさい。
そして許してくれて本当にありがとう。

大学時代、あなたがずっと好きだと言っていた彼を
いつの間にか心のどこかで私もいいなと思うようになりました。

出来ればあなたが彼に告白をし、フラれるなり付き合うなりしてくれたら私も次に進めるのに、と酷いことを思っていました。

そんな時、思いがけず、私が彼に告白されてしまったんですよね。
とても驚いたけど、私は嬉しくてすぐにでも「はい」と言いたかったのです。
酷い友達ですね。
何とか「少し待ってほしい」と彼に伝え、どうしようかと悩みました。
きっとこの話は、あなたの知るところになると思い、誰かの口から聞いてしまうより、私は自分の口から直接あなたにこのことを伝えようと、覚悟を決めました。

「〇〇君に告白されてしまった」
そう伝えたあと、「ごめん」と言った私の一言であなたは私の気持ちを察したのですね。
少し悲しそうな顔をしたけどすぐに、「私のことはきにしないで」と笑ってくれました。
それはあなたの強がりって痛いくらい分かりました。
あなたは笑っているのに、私の方が涙が出てしまって、ただただ「ごめんね」と言うしかありませんでした。

あなたはもう私から離れていくだろうと覚悟していました。
こうして友達を失うんだと思いました。
でもあなたはそれ以降も私と普通に接してくれ
「〇〇君とはうまくいってる？」と私の心配までしてくれました。
なんて強くて優しい人なんだろう、私もこういう女性になりたいと心から思いました。

その後社会人となり、私は彼とは別れ、別の人と結婚しました。
やはり心のどこかで後ろめたかったのだと思います。
あなたもその後結婚し、お互い母になった今でも仲良くしてくれて
本当にありがとう。
ほろ苦い想い出でですが、あなたという友達を失わなくて心からよかったと思っています。
あの時はごめんね。でもありがとうね。

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