- 12 先生へのありがとう
- 2019.03.11
「学ぶ姿勢」と「勉強」を教えてくれてありがとう
塾の先生へ
私が「ありがとう」のメッセージを伝えたいのは、
小学校高学年~高校までお世話になった塾の先生です。
小学校高学年当時の私は、集中力がなかなかつかずに成績が低かったため、
厳格な年配の女性が個人運営している塾に入ることになりました。
そこで私は非常に厳格な先生の指導のもとで「学ぶ姿勢」と「勉強」を教わりました。
学ぶ姿勢に関しては、うわのそらにならずにしっかりと先生の声に耳を傾け、
先生の言葉を「知識」として咀嚼し、頭に刻み込むことを教わりました。
勉強に関しては、学校では教わらない「知識」――特に英語を筆記体で書くことや高校生でも解けないような難しい方程式、戦時中に習ったという長刀の扱い方など、様々なことを教わりました。
先生のおかげで小学校高学年にしてやっと授業に追いつき始め、テストで高得点を獲得した時、母親が涙を流すほど嬉しがっていたのは今でも覚えています。その時、先生に強く感謝したことも、今でも覚えています。
それから私は、塾の先生のもとで学ぶことが大好きになっていました。塾の先生が教えてくれた知識で学校の授業を理解することができ、勉強すること自体も好きになっていました。
最初は算数だけだったのが、中学に上がったことで数学、英語、国語(古典、現代文)、日本史や世界史、様々な科目を塾の先生のもとで学びました。
中学受験、高校受験に受かった際、塾の先生は筆を取り、筆先に墨汁を染み込ませて紙に直筆で私の名前と合格した学校名を書き、塾の壁に貼りつけていました。これは先生の塾で歴代の塾生に行われてきたことであり、私もその一人となった時、とても嬉しくなって何度も壁に貼られた自分の名前を見上げては胸が高鳴りました。
塾は私の事情で高校一年生の終わり頃にやめてしまったのですが、それ以降も年賀状を送ってくれていました。大学に上がった頃、塾の最寄駅に立ち寄った際には塾の近辺を歩いて今も先生は元気にしているかどうか何度も見に行きました。
しかし、大学を卒業する前に塾の最寄り駅に着いた際、いつもどおりに塾の近辺を歩いていたら、塾も先生の家もなくなって売地になっていました。
元々、私が通い始めた頃から相当なご高齢であったため、このことを知った母からは「もう亡くなってしまったのではないか」という言葉を受け、そうであってもおかしくないと強いショックを受けました。
でも、今も思います。あの先生のことですから、今も元気でこの世界のどこかにいると思っています。もしかしたら、場所を変えてまた別の場所で塾を開いて「学ぶ姿勢」と「勉強」を子ども達に教えていると、信じている自分がいます。
もうこの世界のどこかにいて、直接会うことのできない塾の先生へ、学ぶ姿勢どころか勉強もロクにできなかった私に厳しく、時に優しく、時にお茶目に指導して学ばせてくださったこと、色々な知識を教えてくださったこと、ありがとうございました。
私の事情でやめてしまったがために、ちゃんとしたお礼ができてなくてごめんなさい。塾の先生のもとで五年間学び、塾をやめた後も五年間で築き上げてきた「学ぶ姿勢」を維持し続けてきたおかげで自力で大学受験にも合格できました。本当にありがとうございました。
もしも、また会うことができたなら、また塾の先生から色んなことを教わりたいです。常に厳しい顔をしていた先生が見せてくれた笑顔、くすっと笑えるジョークが聞きたいです。
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