私の息子で、ありがとう。

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息子へ

結婚五年目にしてやっと授かった息子が二十歳を迎えます。夫は結婚当時から出張が多く留守がちで、結婚するまで親元を離れたことのない私はとても寂しく感じていました。元々、子供好きな私は早く赤ちゃんが欲しくて、身体を温めるために病院の漢方の外来に通って漢方薬も飲んでいました。今でいう妊活ですね。妊娠がわかってからはおなかをさすり、よく語りかけていました。

無事に出産はでき、問題のない程度での低体重でしたが、まだ鶏がらのような手足で頼りなく泣く姿にこの子のためならなんでもできる、と感じたものでした。そして何より生まれてきたくれたことに感謝しました。

幼稚園、小学校と集団生活が始まるとわりと器用に物事を早くこなしている息子にだんだんと期待を寄せるようになってしまいました。

学校生活、委員会の活動、部活動をうまくこなしている息子に過度の期待をかけてしまっていたのでしょう。神経質でもあり親からのプレッシャーとで受験前には食事がとれなくなり、考えもしなかった大学への進学、となりました。しかし、大学生活で良い友人にも恵まれているようですが、以前の生き生きとした表情は少なくなってしまいました。

でもやはり息子が家に帰ってくるだけでぱっと家の中に明かりがついたように周りの雰囲気を変えられるような子です。どこの学校に通っていようが、関係ないのです。生まれた時のそこにいるだけで有難い気持ちをずっと忘れていました。今現在の息子にも生まれてから今までの一瞬一瞬の息子にもありがとう、と言いたい気持ちでいっぱいです。

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