- 13 その他のありがとう
- 2018.12.14
言えなかった「ありがとうございます」
道案内をしてくれたあの方へ
私は海外在住です。
先日、3歳の子と、小学生の子2人の子供計3人を連れてメトロに乗った時のことです。
電車が止まり、「ここから先は1駅だから歩いて行ってください」という、日本では考えられないような放送が入りました。
初めて行った場所で、地図も持っていなく、とりあえず他の人と同じ方向へ歩くことにしました。
そこへ、ご婦人が来て「どこまで行くのですか?」と、私に尋ねてきました。
私は「もう一つ先の駅に行きたいのです。」と、答えました。
するとご婦人は「私が案内してあげますよ。」と言って、一緒に歩き始めました。
ここは海外ですから、用心していた私は、色々なことを考えてしまいました。
道案内して最後にお金を請求されたらどうしよう、全然違うほうに連れていかれてもし何かあったらどうしよう。
こういった、ご婦人を疑う考えばかりが頭を回ります。
そのうち、3歳の子が「疲れた。」と、ぐずり始めました。
抱っこしようかなと、思っていたら私より先に、ご婦人が子供を抱っこしてくれました。
「私がこの子を抱っこしますから、あなたは他の2人の手を繋いでいなさい。」
と、ご婦人。
ご婦人は子供たちと色々な事を話しています。
そのうち、目的地に着きました。
相変わらず、用心している私に、ご婦人は「ここが目的地ですよ。気を付けて!」と言うと、颯爽と来た道を引き返していきました。
別れ際のご婦人の素早い行動に、「ありがとうございます」が、満足に言えませんでした。
また、自分の心の黒い部分と、ご婦人を疑っていた事が恥ずかしく、しばし立ち尽くしてしまいました。
この場を借りて、ご婦人にお礼が言いたいです。
「後になって思い出せば思い出すほど、ありがたい気持ちと、申し訳ない気持ちと、自分を恥じる気持ちが入り混じって、今更、ものすごくお礼が言いたくてたまらなくなります。
あの時はどうもありがとうございました。
心から、感謝しております。」
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