育ててくれてありがとう

父へ

あなたがお母さんと結婚した時は私は思春期の始めで反抗的でした。それから実家を出るまでの6年間はろくにコミュニケーションも取らず、あなたに家庭を壊されたとばかりに憎んでいたと言っても良いかもしれません。

幼く未熟な私にはあなたがどんな思いで私の成長を見守ってくれていたかは全くわからず、また理解しようともしませんでした。

大学に進学し一人暮らしを始めてからも、口うるさいことは言わずにいつも静かに見守ってくれました。母に反対された留学も、学費や就職難のリスクもありましたが私の応援をして一緒に母を説得してくれました。

私の夫にも父親ぶらずに「飲み友達だから」と気軽な言葉で接してくれました。

今なら母があなたのどんなところが好きになったのか、なぜあのタイミングで再婚したのか私にもよく分かります。なんの他意も損得もなく母の娘である私をわが子のように育ててくれてありがとう。私を家族にしてくれてありがとう。

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