心配をかけた母へ

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お母さんへ

30歳を過ぎても結婚する様子も、彼氏すら作る様子もなく、やりたい事をやって過ごしていた私を心配した母がある日、近所の人から勧められたというお見合い話を持ってきました。もちろんお見合いなどするつもりもなかった私ですが、紹介してくれた人の手前、断り切れずに形だけでお見合いをすることになりました。

相手は私より年下でとても優しそうな方。職業も申し分なく、結婚すれば安定した生活を送れそうでしたが、正直私のタイプでもなかったし、もう少しやりたいこともあったので私はお断りをいれるつもりでした。

しかしすでに乗り気の両親。特に父親に至ってはもう結婚が前提のような雰囲気でしたので、断ってほしい旨の話をすると、そこで父とひと悶着。その時放たれた父の言葉に私は大激怒し、その日以来両親とは一言も口をきかない日々を過ごすことになったのです。

母は私の気持ちを察し、何度かそのことについて話をしようと試みる様子は気づいていたのですが、怒りの収まらない私はそんな母とも目も合わさないような状況。部屋に閉じこもる日々が続き、自分からそんな状況を作ってしまった手前、こちらから話すきっかけすらも見つからないまま1か月ほど過ぎたある日。

部屋に戻った私のベットの上に、母からの手紙が置いてありました。中を開くとそこには、今回の件について、余計なことをしてしまったことへのお詫びと、娘の結婚を願う母の思いが書いてありました。そこで私は初めて母の思いを知り、意地になった自分を申し訳なく思い、その後やっと母と向き合うことができました。自分の気持ちを正直に伝えたのは、恐らくその時が初めてだったと思います。

私にはまだやりたいことがあること。結婚は自分自身で何とかするから見守ってほしいこと。そのことを伝えると母は応援してくれました。本当にありがたい気持ちでいっぱいになりました。

30歳を過ぎて念願だった海外留学の夢を果たし、帰国して程なく、縁あって今の主人と知り合い結婚したのは36歳。そして私も一人の子供の母親となりました。子供はまだ小さいのでケンカや言い争いはまだまだ先の話になりそうですが、いつかその日が来たとき、ようやく母の気持ちが分かるのではないかなと思っています。

私の遅すぎる反抗期に心配をかけた母へ。あの時はごめんなさい。でも私を応援してくれて、そしていつも見守ってくれてありがとう。これからまだまだ心配をかけると思いますが、先輩お母さんとしてアドバイスしてくださいね。
そしていつまでも元気でいてください。

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