こんどは私があなたへ母の日を

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母へ

はじめまして。

私には、母がいます。
これは誰にとっても当然のことではありますよね。
でも、私の母にとって、それは当然のことではありません。
私の母の母、つまりはお婆ちゃんにあたる人のことを、
私はよく知りません。
顔も、写真で見たことくらいしかないのです。
お婆ちゃんは、私が生まれてすぐに亡くなったのだと聞いています。

母は、そのお婆ちゃんが大好きだったとよく語っていました。
そして、毎年母の日には色々な贈り物をしていたとも。

時にはカーネーションとお婆ちゃんの大好きな花を混ぜた花束。
時には刺繍を施した手作りのひざかけ。
時にはお婆ちゃんの大好きなメニューだけを用意した豪華な夕食。
時にはお婆ちゃんの書いた詩を集めた小さな本。

年年に工夫を凝らして、母は毎年贈り物をしていたのだそうです。

私が生まれてすぐ、お婆ちゃんは亡くなりました。
その年の母の日、母は、泣いてしまったといいます。
もう母の日を、大事な人を祝うことが出来ないと。

母は、そんな優しい人です。
そして私は、そんな母に育てられました。
母からたくさんの優しさを学びました。
私は、こんなに優しい人の元に生まれてくることができて、幸せです。

母が母の日を祝えないのならば、
こんどは私が母の日を祝おうと思ったのはいつからか。
私が初めて母の日を祝ったとき、母は目に涙を浮かべて笑いました。

おかあさん、いつもありがとう。
私に優しさを教えてくれて、ありがとう。

こんどは私が、あなたへ母の日を贈ります。

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