嬉しい言葉をありがとう

いつかの営業兄さんへ

派遣スタッフとして働いていた頃の話です。

イベント企画会社のそのお兄さんと会ったのは、１週間限定の仕事でした。
仕事内容的にはすごく簡単なんだけど、次々並ぶ人々をさばけないと大混乱しちゃうし、お客様をイライラさせてしまったら店にも迷惑かけてマイナスイメージついて失敗に終わるというそこそこ重大任務。

でもさ、パチンコで大当たりしてるおじさんおばさんは席を離れたくないはずなのに、カウンターまで来てもらい、しかも毎回本人確認証を提示して記入させてもらうとか、真顔で真面目にやってたら怒られるよ？

ぶつけられる文句をかわしながら記入するのはなかなかハードな仕事。
けど、繰り返しているうちに何回も来るから顔も覚えて嫌味なんか言い合いながらも当たりを喜んであげたりしながら対応してたらお客様とも仲良くなれた。笑

お兄さんは横で手伝ってくれるでもなく、お客様をなだめてくれるでもなく、ただ立ってる。
お店の人とこっちみてこそこそ話しながら、また定位置で立ってる。

任せっきりかーい！と心でつっこみながらも、なんとか１日終了。
そんなんで、なんとか１週間やりきった最終日の終わりにお兄さんが言ったくれた『君なかなかできるね、派遣じゃこなせる子がいなくて店から苦情来たり困る事が多いんだけど、君が来てくれて良かった。実は、僕の初めて一人で全部を任せてもらった企画で不安で仕方なかったんだ。失敗したら次はないからね。派遣じゃもう会い事もないかもしれないから、伝えさせて。一緒に仕事ができて良かった。ありがとう。』なんて言葉は今でもしっかり覚えています。

たった１週間でしたが、とても嬉しかったので何年経ってもしっかり覚えています。
またどこかで、なんて言わないところがかっこよかった。
お手伝いできたようで、私もよかったです。

お兄さん、もうおじさんになってるかな？あの時はありがとうございました。

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