別れてしまったけれど。

元主人へ

　12年連れ添った主人と離婚しました。性格の不一致で向こうからの要求でした。私は子供のために拒否し続けていましたが、その細い糸が切れ離婚という結果になってしまいました…。
　後悔はしていません。子供の気持ちを踏みにじった主人に怒り、呆れ、あきらめていました。頼まれても元に戻る気持ちもありません。

　ただひとつ、娘が主人にそっくりなのです。
顔や体形もそうなのですが、しゃべり方や行動まで…。私が仕事から疲れて帰った時にふいに見せてくれる気づかい…。
　それらを見るたび、主人と付き合いだした頃の優しいあの人の面影を見るのです。不思議と優しい気持ちになります。別れ際の嫌な感情ではないのです。

　そんなやさしい娘を授けてくれた元夫に感謝の気持ちが溢れます。もうおそらく本人に伝えることはないと思うので、娘に言っています。
「こんなかわいい娘を生ませてくれたお父さんにありがとうだね！」
　娘を大切にして立派に育てることでいつか元夫へ感謝の気持ちが伝われば…と思います。

お気に入りに入れる