本当に感謝してます！

副社長へ

副社長と平社員の関係って、もっと堅苦しくてつまらないものだと転職を繰り返している時には思っていました。
最後の就職先で、その年に入った新入社員や転職組に副社長は
「さて、この文化財についてだけどどう思うかな？」と笑顔でひとりひとりにテストをされたそうですね。

私は気負いもなく、業務にも関係ない話題だったので気楽に
「かつては、誰かが使用したり愛したりした品です。その前に誰かがこれを作って、そしてその前には誰かがこの素材を採取し、採取する前は自然の中で悠々と生きていた何かとても連綿としたつながりのある……ストーリーのある品です」と答えました。

「ありがとう！」
副社長は満面の笑みでそれだけを言って立ち去っていきましたが、それからはとてもご親切に毎朝あいさつや声をかけてくださりありがたかったです。

副社長は趣味の延長で質問されたと後になって、身内の方から伺いました。
ほかの社員は、副社長が思ったことと全く違うことやお世辞を並べ立てたみたいですね。そのあとに、相手にされなくなった社員がいたということもうかがいました。

よく考えると、怖いテストでした。
でも、そのおかげで副社長と私がとても近い感性を持っていることがわかりました。
日々、悩んでいる時には「どうした？　何か面白いものでも見るかい？」と声をかけてくださり。長期病気で休んでいる間も「大丈夫かい？　無理はしたらいけないよ」と言葉をかけてくださり、最後の会社生活はそれまでの会社員生活よりもとても楽しい時間になりました。

本当に感謝しています。
寿退職後、ボランティアを始める際に副社長が「君はこういう良いところがあるんだよ」と言葉を下さったことを参考に新しい人生を始めています。
本当に、今楽しいです。ありがとうございました。

お気に入りに入れる