ありがとう

夫

一緒に居てくれてありがとう。
僕のほうこそ、一緒にいてくれてありがとう。
毎朝、主人にそう伝えています。
毎朝、主人はそう返します。

毎朝、一緒に歩いて主人が改札をくぐるところまで見送ります。
食事も一緒に作るし、片づけも一緒です。
買い物も話し合うし、何かを決めるときにもしっかりと話し合います。
互いの価値観が違うので、驚くこともたくさんです。
それでも、「ありがとう」を常に口に出しています。

仲が良いのですねと世間からは言われます。
そんなに一緒にいて、面倒にならない？　とも聞かれます。
お二人とも、お付き合いが長いんでしょうね。一緒にいても姉弟みたいに仲良しで羨ましい。とも、見ず知らずの人にまで言われます。

いいえ、私たちは初めて言葉を交わしたときからこれで普通です。
私たちは出会ってすぐに入籍しました。
それまでの人生、一度も祖で触れ合うことも無く生きてきて過ごしていました。
今はやりの婚活も、恋愛にすらお互い興味がありませんでした。
婚姻届けという紙切れにサインした前も後も何も変わっていません。

お互いの性格に面倒も感じないし、見栄を張って婚活して結婚したわけでもないのでストレスはほとんど発生しませんでした。相手のスペック重視で結婚していたら、こんなはずじゃなかったっと地団太を踏んでいることでしょう。
とりあえず、明日命が無くなってもいいようにいつも何かあれば「ありがとう」と言っています。

私たちは、出会ったタイミングがゆっくりでした。
30代と20代。
ほかの同世代の夫婦ならば、もう子供がいて5年以上は一緒にいてという関係の方も多いでしょう。
私たちは、あと何年一緒にいられるのか。
それを結婚する前に単純計算すると、お互いの両親の婚姻期間の半分くらいだとわかりました。

円滑に、長い時間幸せに、楽しく、感謝は即伝える。
今この瞬間が幸せなら、お互いの幸せな記憶が増える。
そしたら、一緒にいる時間は幸せだったと思える。
そのことを、男の人で若いのにすぐに理解して「ありがとう。僕、すごく幸せな人生になりそう」と笑顔でルールに同意してくれました。
おかげで、いつも幸せな毎日を送れます。

彼が、いつも柔らかく笑って「ありがとう」と言ってくれるだけで毎日が幸せです。ありがとう。

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