ママのところに来てくれてありがとう

　ゆず

妊娠が分かった時、ママは正直困ってしまいました。
仕事の大事な時期、パパとはまだ結婚前、どうしよう、どうしよう…ママはそればかりでした。

そう思ってしまったこと、今でもとても後悔してます。
きっとお腹の中で聞いていたよね…ごめんなさい。
そんなママとは裏腹に、パパは大喜びだったのも聞いていたよね？
そのパパの反応で、ママはあなたを産む決意ができました。
産むと決めたらママはあなたのことで頭がいっぱいになりました。
あんなに大事だった仕事も辞め、あなたのためになることはなんでもしようと思って、日々大きくなるお腹が本当に本当に愛おしかったです。

長かった悪阻も耐え、やっと落ち着いてきた時に出血。
病院に駆け込んだら、陣痛に繋がるかもしれない、今産まれたら厳しい戦いになるかもしれないと言われました。
きっと、パパとママがあなたに早く会いたくて会いたくて、いつもそればかりだから期待に応えようと頑張っちゃったんだよね。
無事に産めなかったらどうしよう。
今産まれてしまって何かあったらどうしよう。
病院のベッドで泣いてばかりのママに、あなたはお腹をポンポンと蹴って「大丈夫だよ」って何度も言ってくれたね。
お腹の中にいる時から親孝行のあなた。
ママが泣くからきっと心配してお腹にとどまってくれたよね。
そこから臨月までの安静期間は辛かったけど、あなたが頑張ってくれてるからとママも頑張れました。

ついに出産。
陣痛、破水とスムーズだったのに、今度はなかなか出てこなかったね。
ママのお腹から出てしまうことが寂しかったのかな？
不安だったのかな？
3日かかってやっと出てきてくれたあなた。
ママは疲れ果てて、喜びや安心よりも先に、終わったー！！って思いました。
2500gちょっとの小さな体。
思い描いていたふっくらした赤ちゃんとはかけ離れていたけど、ママもパパもこの小さなあなたを絶対守り抜くと決めた瞬間でもありました。

それから2年。
まだ2年しか経ってないけれど、大きく大きく成長してくれたね。
言葉も早く、今ではああ言えばこう言う…ママに似て本当におしゃべりさんだね。
幼稚園に通い始める日が近づいてきましたね。
あんなに一緒にいたあなたが、ママやパパ以外の世界を築き始めるんだね。
嬉しい反面、寂しいです。
男の子だから、いつまでママママと言ってくれるのか…これからどんどんママから離れていってしまうよね。
どんどん前に前に進んでいきなさい。
でも、道が見えなくなったら、不安になったら、寂しくなったら、いつでも後ろを振り向いてね。
そこには絶対ママとパパがいるからね。

これからも大きく大きく育っていきますように。
あの時、ママのお腹の中に来てくれてありがとう。
私をママにしてくれてありがとう。
ママの子に産まれてきてくれてありがとう。
たくさんたくさんありがとう。
大好きだよ。