私が生きているのはあなたのおかげ

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彼氏さんへ

私は物心ついたときから死にたかった。
階段の上、窓枠、塀の上で、何度も涙をながした。
生きていたくなかった。
ずっとずっと、消えてしまいたかった。
家族は嫌いではなかったけど、きっと良い家族ではなかったんだと思う。

学校でも上手くいかなかった。
勉強はできたけど、人間関係を構築するのが下手くそすぎた。
中学卒業のとき、保健室の先生に
「あんた、みんなから嫌われてたの知らなかったの?」
と言われた時は「やっぱりそうか」と思ったくらいだ。

そんな私もなんだかんだで大学に進学した。
どうしても手に入らなかった、誰かと一緒に何かを成し遂げる体験をしたくて部活に入った。
そこであなたに会った。

一目見たときから、私はあなたに惹かれていた。
私と根源は同じなのに正反対のあなたに。
誰かとの繋がりを渇望し、必死にもがいているあなたに。
私の知らないことをたくさん知っているあなたに。
どちらが先に惚れたのかはわからないけど、
付き合うことになった。

私は何度もあなたを困らせた。
家に帰りたくないと泣いてすがりつく私を、
終電がなくなっても落ち着くまで慰めてくれた。
部活の人達と合わなくて辞めてから精神不安定になり
学校とバイトに行けなくなったとき、
私を駅まで迎えに来て学校とバイト先まで送ってくれた。
泣いて嫌がる学校とバイト先までの道を、
周りの目が気になるのを我慢して引っ張っていってくれた。
誰にも理解してもらえなかった私の気持ちと考えを、
初めて受け入れてもらった。
気持ちと身体がリンクせず、どうしても起き上がれない日があることを、理解してくれた。
離人感や解離に悩まされている時に、現実に引っ張り戻してくれた。
何度も何度も、すり抜けようとする私を捕まえてくれた。
自傷を繰り返す私を見て、泣いてくれた。
私のことを、「立派な研究者に絶対なれる」と信じてくれた。
私はあなたに、人間にしてもらえた。

あなたが悲しむから、私は自ら死ぬのはやめてみようかと思えるようになった。
あなたと一緒に未来を生きてみたいと思うようになった。
絶望しかない未来だったのに、ほんの少しの希望が見えてしまった。

ありがとう。
死んでしまうその時まで、
私はあなたと一緒にいます。

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