「お母さんのせいだから」→「お母さんのおかげで」

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お母さんへ

私は今大学3年生です。私が通う大学のレベルは高くはなく、特別低いわけでもありません。俗に言う普通の大学です。この大学を志望した理由は特になく、高校生の時に勉強したい分野や将来の夢を持っていなかったので、そこそこ評判が良く、家から近いこの大学の入試を受けました。無事試験を合格し、大学に入学しましたが、明確な目的や目標を定めることができず、ただ時間が過ぎていくのを待つのみでした。そんなある日、東京大学や、海外の有名な大学に通う同年代の学生たちが、それぞれ夢に向かって勉強に励み、有意義な生活を送っている様子をテレビで観て、「私って、なんて恵まれていないのだろう」と、思いました。同時に、過去を振り返ってみると、両親はあまり私に干渉をせず、ほったらかしにすることが多かったように思います。そのため、私が小さい頃に刺激的な体験をし、将来の道筋となるヒントを得ていれば、テレビで観た学生たちのようになっていたのではないかと思うようになりました。「私が将来の夢や今やりたいことを見つけられないのは、全て親のせい」、「親が子供の興味を引き出すべき」などと、全て親の責任のせいにしていました。そして、今の自分の現状に耐えられなくなった私は、ついに、お母さんに向かって、「なんで何もアドバイスをくれないの?頭が悪いのはお母さんのせいだから。もっと、頭のいい家庭に生まれたかった。」と言ってしまいました。お母さんは何も言いませんでした。さすがに言い過ぎたと思った私は、もう一度自分自身を振り返ってみることにしました。すると、私はごく普通のありきたりな家庭で育ちましたが、今まで何事もなく“普通”に生活できたのは親、特にいつもそばで支えてくれたお母さんのおかげだと気づきました。小学校1年生の時、学校が苦手で休みがちだった私を、お母さんは無理やり学校に連れて行こうとせず、朝ごはん、お昼ごはん、晩ごはんをいつも通り作って、私に食べさせてくれました。学校を休むことはいけないことだと承知していたため、そんな悪いことをしているのにご飯を食べ続けていると、罪の意識を感じてしまい、気づけば毎日学校に通うようになっていました。中学生の時、部活内の人間関係で悩んでいるときは、私の悩みをひたすら聞いてくれました。高校のときも、人とのうまい付き合い方がわからない私は、また部活で人間関係のトラブルに巻き込まれ、人生で一番ストレスを感じ、自殺さえ考えたことがありました。しかし、そんなときも、お母さんは私の問題を深く追求しようとせず、泣いているときはただそばにいてくれました。今思えば、常に私のそばにいてくれたおかげで、なんとか今まで生きてこれたのだと思います。また、今の自分の能力は全て親のせいではなく、自分の努力不足のせいだと気づきました。世の中への視野を広げ、興味を引き出し、将来の道筋を開くのは自分次第だと、言葉では伝えられていませんが、親の姿勢からそう教えてもらいました。今の自分があるのは両親、そしてお母さんのおかげ。いつもありがとう。

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