親戚になって初めて知った先生の気持ちに感謝

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現代文の先生へ

大人になってから先生と親戚として再会することになるなんて、
高校時代の私には全く想像できませんでした。
私は文系クラスで先生は理系クラスの担任だったので、
先生との接点は現代文の授業の時だけです。
そのため高校で先生と会話する機会はほとんど無く、
たまに授業中に先生から指名されるくらいの関係性でした。

高校時代の私は反抗期真っ只中で、
せっかく目標としていた進学校に入学できたのにも関わらず、
ろくに勉強もしないで授業中も眠ってばかりだったので
現代文のテストで赤点を取ることもありました。

赤点を取ると待っているのは放課後の追試です。
基準点に到達するまで繰り返し追試を行うのですが、
他の教科の先生は露骨に厳しい顔つきになるのに、
先生だけはいつも通りの表情で接して下さったので
次の試験の時は赤点にならないように勉強しようと素直に思えたのです。

高校を卒業し進学後に就職した職場で主人と出会い
結婚が決まって結婚式の招待状を準備していた時に
主人側の招待リストの中に先生の名前を見つけて驚きました。
同姓同名の別人かと思ったらそうではなく、
先生と主人は親戚同士だったのです。

結婚式で高校時代の友人が先生を会場で見つけて、
サプライズゲストだと言って喜んでいたのを見て
とても嬉しい気持ちになりました。

後日、先生の自宅に初めて訪問した時、
先生から高校時代の私のことをよく覚えていると聞いて驚きました。
高校時代、赤点を取るような底辺の成績の生徒は
先生方から相手にされていないと感じていたので、
私のことなんて覚えている先生は誰一人いないと思い込んでいたのです。

でも先生は、

「あなたが答案用紙に書く文章は個性的で、
回答としては誤っていたけど印象に残っているんだよ。
進学のための試験の成績は対策をすればどうにでもなるけど、
個性だけはその人にしかない魅力だから
他人が真似しようたって真似できやしない。
成績云々よりも個性が評価されるべきなのではないかと
あなたを見るたびに思っていたものだ。」

と言って下さったので
高校時代に抱いていた嫌な感情が全て吹き飛び
救われる思いがしました。

先生は私のような落ちこぼれ生徒のことも
ちゃんと見ていてくれたんだとわかり、
家に帰ってから嬉しくて号泣してしまいました。

結婚して先生と親戚関係になったからこそ再会でき、
高校時代には気付かなかった先生の気持ちを聞けて幸せです。
本当にありがとうございます。
そしてこれからもよろしくお願いします。

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