助けてくれてありがとう

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通りすがりの方へ

去年の梅雨入り直前のことです。
私は買い物をしに歩いて20分ほどのスーパーに買い物に出かけました。普段は近くでも車で移動してしまうのですが、その日は「健康のために歩こう!」と思いたって徒歩で行くことにしたのです。

買い物を終えてスーパーを出るといつの間にかずいぶん日差しが強くなっていて、気温も高くなっていました。真夏ならば日傘や帽子を忘れることはないのですが、まだ春の気分が抜けきっていなかった私は油断していてそのような物は何も持っていなかったのです。

買ったものを早く冷蔵庫に入れたい私はそのまま勢いよく自宅に向かって歩きだしました。ところが暑さになれていない体は正直です。大きな交差点を渡っている最中に突然めまいがしてまっすぐ歩けなくなってしまいました。

「こんなところで倒れたら、右折してくる車にひかれてしまう……」

そう思った私はよろけながらなんとか横断歩道を渡りきり、歩道に入ったところで足に力が入らなくなってヨロヨロと座りこんだのです。

すると交差点で私の様子を見ていた車の運転手の方が、少し先の路肩に停車して私のもとへ走ってきてくれました。私が熱中症のようだと告げるとすぐ近くの自動販売機で冷たいスポーツドリンクを数本買ってきて、体を冷やしたり飲ませたりしてくれました。そして自宅まで送りとどけてくださったのです。

お礼を言いジュースの代金を支払おうとしたところで、その方は急いで立ち去ってしまいました。

通りがかりのとても親切なお方、あの時は助けてくださりありがとうございました。

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