昔は大嫌いでした(笑)

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私は念願かなって新卒で憧れの職業に就くことができました。激務であるというイメージが一般的にも浸透しているような仕事ですが、それでも毎日充実していました。

でも、1年目に担当が変わり、予想以上にハードな日々を約半年間送ることになりました。その担当は絶対に新人が経験しなければいけないものなので、そこに異議を唱えるつもりはありませんでした。ただ、指導役となった先輩とことごとく反りが合いませんでした。

例えば、私は朝8時には勤務場所に出勤して、待機しつつ他の仕事もしながら夜12時まで働いていました。そういう決まりだからです。それが終わって帰宅しても夜中に呼び出しがあれば行かなければならないし、休みは週に1日あるかないかくらい。休みの日も2時間おきに勤務場所に電話をかけて、異常がないかを確認しなければなりませんでした。

なのに、先輩がやって来るのは早くても朝10時くらい。しかも先輩は「〇〇さん(上司)から電話があったら、『俺も8時からいました』って言えよ」と言ってきたのです。他にも仕事を押し付けられたり、私が泣くまで説教されたり、勤務場所にまともに来ないくせにちゃっかり仕事はしていたりして、長時間勤務でただでさえストレスがマックスに達していた私は先輩が大嫌いでした。いくら1年先輩で指導役とはいえ、「なんでこんな奴の言うことを聞かなきゃいけないんだ!」と本気で思っていました。その悪夢のような半年間が終わると、お互いに異動があったりして、先輩と仕事をすることはありませんでした。

それから9年経ち、私は昨年退職しました。病気になって仕事に行けなくなってしまい、会社の定める休職期間を超えて休んでしまったからです。とはいえ、病気の主な原因は仕事とは関係がなく、会社としても精一杯のことをしてもらったので感謝しています。

退職が確定的となった時点で、私はいろんな人にこれまでのお礼や今後の見通しなどを伝えていました。その時、指導役だった先輩は県外に赴任していましたが、突然電話がかかってきました。そして、先輩の口から出たのは「俺はお前に辞めてほしくない。病気だって治ったらまた働けるかもしれないのに、そこで休める期間が決まってるなんておかしい。俺が会社に掛け合ってみる」という言葉でした。

私は正直、その時はもう治療と仕事の両立に疲れていたし、休んでしまったのは自分の責任なので諦めていました。でも、9年間ほとんど口を聞いていなかった先輩から、まさかそんなふうに言ってもらえるとは思っていなくて、驚きました。びっくりすると同時に、すごくありがたくて心からお礼を言いました。当時、先輩は私のことが嫌いできつく接していたんじゃなかったんだなと分かりました。もちろん復職はかないませんでしたが、そこまで言ってくれたことに本当に感謝しました。ただ、さすがに「昔は大嫌いでした!」とは本人には伝えていませんが(笑)

今は少し回復して、短時間のアルバイトができるようになりました。またフルタイムで働けるようになったら、県外で同じような仕事をしたいと考えています。そして、「あの時はありがとうございました!私は元気に頑張っています!」と先輩に報告して、恩返しをしたいと思います。

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